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当日、コンサートに先駆け、須川展也さんによる「アンサンブルクリニック」が午後1時より同劇場リハーサル室で行われました。 |
アンサンブルコンテストの審査員などを務める須川さんの公開レッスン、平日のお昼の時間にもかかわらず会場には、高校生や大学生、そして吹奏楽部顧問の先生と、色々な方にお集り頂きました。 |
本校管楽器リペア科の学生によるアンサンブルバンドをモデルにしたクリニックは、時折須川先生の演奏も交えながら進んでいきました。課題曲はデサンクロ作曲「四季奏曲」第一楽章。テーマをまずしっかり意識する、強弱の違いを大切にする、同じ音符でもアクセントを持たせる、などなど具体的な指導を受け、モデルバンドの演奏もどんどん変化していきました。 |
「意識を少し変えるだけで演奏が変わると実感できました。」というモデルバンド学生の感想に対し、「私は何もしていないですよ、皆さんができることを『ほら、できるじゃない』と声がけしただけですから。」と須川先生。 |
最後に「楽器の修理と一緒で、本当に細かなポイントの積み重ねが演奏を変えていきます。」というアドバイスでクリニックは締めくくられました。
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午後5時45分の開場を前にホール入り口には多くの方が集まってみえます。楽器業界関係者の中には遠く東京から駆けつけて頂いた方もみえました。そして、業界で活躍中の卒業生の姿も。
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午後6時30分開演。「堅苦しい式典ではなく、とにかく皆さんに楽しんでもらえる時間を」との吉田先生の言葉に続き、本校理事長が会場のみなさんにご挨拶させていただきました。
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第一部は「クラシックの部」。プログラムは以下の通り。
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『ヴォーカリーズ』
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作:ラフマニノフ
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須川展也 加藤昌則
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『スロヴァキアンラプソディー』
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作:加藤昌則
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須川展也 加藤昌則
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オーボエ協奏曲ニ短調2楽章
『ヴェニスの愛』
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作:マルチェッロ
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山形由美 加藤昌則
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ワルツ『仮面舞踏会』組曲
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作:ハチャトゥリアン
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山形由美 加藤昌則
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『ヴェニスの謝肉祭』
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作:ジュアン
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山形由美 加藤昌則
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『スペイン』
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作:チックコリア
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須川展也・吉田次郎ほか
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『アルルの女』組曲
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作:ビゼー
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須川展也 山形由美 加藤昌則
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須川さん、山形さん、ピアニスト加藤昌則さんによるクラシックの名演のなか、ジャズピアニスト・チックコリア作曲の名曲『スペイン』では、須川さんと吉田先生が共演。主にクラシックで活躍する須川さんも「おもわず血が騒いでしまいました。」とコメント。ギター、ピアノ、ウッドベースなどをバックに、須川さんのソプラノサックスが美しく響き渡りました。
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「本業に戻りまして」との前置きに続き、須川さん、山形さん、加藤さんによるビゼー作のオペラ『アルルの女』の組曲で一部は終了。 |
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休憩をはさみ第二部「ジャズの部」。ステージには、吉田先生(Gt)、坂井紅介さん(B)、Andy Ezrin(Pf)、Ole Mathisen(Sax)、加納樹麻さん(D)が登場。5月に発表された先生のアルバム『Platonic』やスタンダードジャズなど全5曲。
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曲目は以下の通りです。 |
『NEVER COME BACK』
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アルバム『Platonic』より
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『PLATONIC』
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アルバム『Platonic』より
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『枯葉』
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『BEAR WALK』
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アルバム『Platonic』より
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『朝日のごとくさわやかに』
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『セント・トーマス』
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作曲:ソニー・ロリンズ
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途中、吉田先生がギターを持ち替えるシーンが。使うギターは、本校ギタークラフトコースの学生のギター。先生の呼びかけによって、ギターを作った学生がステージ上で紹介されるシーンもありました。学生の作ったギターが使われたのは『枯葉』『BEAR WALK』の2曲。特に『枯葉』はフルートの山形さんとの共演。様々なJAZZプレイヤーにより演奏されるスタンダードナンバー、この季節にぴったりの一曲になりました。
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第2部が終了。会場が拍手に包まれる中、吉田先生が再度ステージへ。アンコールが始まりました。先生の紹介ですべての出演者が一名ずつステージに迎えられます。
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「最後は楽しくこの曲で」と選ばれたのは、ソニー・ロリンズ作『セント・トーマス』。各パートのソロ回しに客席の手拍子が重なり、会場全体が一体となって音楽を楽しんでいる、そんな様子でコンサートは終了しました。 |
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楽器は音楽のジャンルを問わず、プレイヤーの表現手段として使われるものであり、つまりすべての音楽を支えるものだと言えます。 |
本校30周年の記念コンサートでこういった多ジャンルの音楽に触れていただけたのは本当に嬉しいことであり、今後もこういうすばらしい「音楽」を陰で支える技術者の重要性を、学校スタッフ一同改めて感じさせられました。 |
ご来場いただいた皆様、そしてすばらしい演奏を披露していただいた出演者の方にも感謝いたします。
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