2025年6月16日(月)、管楽器リペア科2年生は2つのグループに分かれて、愛知県瀬戸市にある「星野楽器株式会社 暁工場」を見学しました。この暁工場では、「TAMA(タマ)」というブランドで世界中に知られているドラムがつくられています。特に、STARドラムやアーティスト向けの特別なモデルなど、高い技術が求められるドラムもこの場所で生産されています。
見学では、TAMAドラムの特徴でもある強いシェル(胴体)を作るための合板を曲げる工程や、塗装、塗装の仕上げ磨き、シェルのふちを整える「エッジカット」など、さまざまな工程を間近で見ることができました。中でも今回は特別に、「サウンド・フォーカス・リング」を取り付ける工程も見せていただきました。このリングは、ドラムの音のまとまりをよくするために内側につける部品です。この作業はとても繊細で、機械ではうまくできないため、すべて職人さんの手作業で行われています。
学生たちは、一つひとつの工程をじっくりと見学し、職人さんたちの丁寧な手仕事に目を輝かせていました。見学を終えた学生の感想を紹介します。「サウンド・フォーカス・リングをつける工程では、職人さんが“かんな”を使って、少しずつ少しずつ木を削って調整していました。でも、私には見た目の違いがまったく分からなくて…。それでも、仕上がったドラムの美しさに驚きました。“同じようにやる”のではなく、“今あるものに合わせて最適な仕上げをする”という姿勢に感動しました。自分の技術も見直そうと思えるきっかけになりました。」「今回は、実際に働いている方たちと直接お話できたことがとても印象に残りました。自分が将来、どんな風に働いていきたいか、少しだけイメージができた気がします。」今回の見学は、ドラムの魅力やものづくりの奥深さを感じるだけでなく、自分の将来や技術についても考える、とても有意義な時間となりました。