こんにちは!ピアノ調律科1年生です。
春のやさしい風を感じながら、この学校の学生として1年間を過ごしたのだと、しみじみ実感しています。
毎月のように行われる実技習得テストに追われ、がむしゃらにハンマーを動かした日々。定期試験が近づくにつれて、教室に漂っていたどこかピリッとした空気。ときには軽い癇癪を起こしながらも、友人と前期末追試験の勉強に励んだこともありました。
技能検定の学科試験前、授業内で取り組んだ練習問題で、思わず目を疑うほど低い点数を取り、先生に心配されたこと。
実技試験前には、
「4Hz・100分」という高い壁を前に、絶望したこともあります。
それでも、より良い音をつくるために切磋琢磨してきた日々を振り返ると、忙しくも、とても充実した学校生活だったと感じます。
音をつくる仕事は、自分の精度が常に目に見えるわけではありません。音は目に見えないものだからこそ、難しさがあります。
「正解」を求めて、100%のやり方を探してしまう私にとって、調律は特に悩みの多い分野でした。
以前の私は、調律とは
「唸りのない、正解とされるきれいな音をつくること」
だと思っていました。
しかし、自分の心の持ちようや、さまざまな要因が重なり、音に“芯”が生まれたと感じられた日、
「いい調律」
「いい音」
とは何かを、少し理解できた気がしました。
調律とは、ただ音を合わせることではなく、ピアノに寄り添い、ピアノがいちばん心地よくいられる場所へ導いてあげることなのではないか。そう思うようになりました。
調律師は、お客さまの求める理想の音と、ピアノが本来持っている音をつなぐ“架け橋”のような仕事だと感じています。理想の音の形は、100人いれば100通りあります。
だからこそ、お客さまがどのような音を求めているのかを丁寧に伺い、悩みを解決できるよう、しっかりヒアリングを行うことが大切だと学びました。ピアノの不調を直すだけでなく、お客さまの「理想の音」を引き出せる調律師こそが、本当に良い調律師なのだと思います。
中部楽器技術専門学校には、30部屋を超えるアップライトピアノの調律ボックスがあります。それぞれの部屋に、それぞれ違った“個性”を持つピアノが置かれています。


2年間の在学期間を通して、多様な個性のピアノに触れられるこの学校での学びは、将来、社会に出て調律師になったとき、きっと心強い味方、そして大きな「力」になると思います。
ここでしか得られない体験と学びを、誇りに思います。
この学校で得た1年間の“気づき”を大切にしながら、これからも成長していきたいです。

